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民家の研究 2018年06月06日
前回、「長州大工」について、書きましたが、それ以降、四国の中山間地域で、6件ほど、耐震改修設計をさせていただきました。いわゆる「農家住宅」です。
庄屋さんと小作の関係が改変されたのは昭和20年以降だと思われますが、それよりも以前に建てられた住宅です。
中には、「地下」に当たる部分が石積みで、「厩」として使われていたとのお話もありました。
なぜ、明治の初めごろに建てられた、「長州大工」の家が多く現存するのかが疑問でした。
それの一つの答えを、「高知の建物の歴史」を「あっちこうち学団」のメンバーと話している中でいただきました。
もともと、高知の民家は柱直建(土に柱を埋める)方式(=堀建柱)だったようです。
そのため、柱が腐り、あるいは蟻害にあい、現存しにくいのだということでした。
高知の古い住宅で、安易に柱を途中で切られているものを見ることが多いのは、そのせいかもしれません。
土に埋めた部分が腐食し、その部分を新しくするために、途中で切断して継いだりしていたのかもしれません。
そんな中、「イシバダテ」の「長州大工の家」は新鮮だったのでしょう。
柱が腐りにくい、柱と柱を大きな梁でつなぐ工法なので、床下の換気が良いなどの理由で、建物の寿命が画期的に伸びたのでしょう。
そして、それが評判になり、我も我もと、「長州大工の家」が増えたのではないでしょうか?
中には、評判を聞いて、その工法を身に着けようと、地元の大工が模倣したものもあるかもしれません。
そのようにして、高知の中山間地域に「長州大工の家」が多数建てられ、大切に使われ、現在に伝えられているのだと思います。
大切に使われてきた家だからこそ、それがたとえ「空き家」であっても、上手に改修して活用できるようにして残してあげたいと思います。
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